「ワックスをつけると、かえってペタンコになる」
「朝セットしても、昼にはトップが潰れている」
「量はあるはずなのに、なぜか薄く見える」
猫っ毛の男性から、RELIVEで毎日のように聞く言葉です。
先にお伝えしておくと、猫っ毛と薄毛は別物です。猫っ毛は生まれつき髪の一本一本が細く柔らかい状態で、本数が減っているわけではありません。ただ、「地肌が透けて見える」「ボリュームが出ない」という見え方の悩みは、薄毛の方とまったく同じです。そして解決の方向もほぼ同じで、鍵になるのはスタイリング剤選びです。
結論から言います。猫っ毛の方がやるべきことは、スタイリング剤の「油分を減らす」ことと、「乾かす前に使う」ことの2つです。今使っているワックスをやめるだけで、見え方が変わる方が本当に多いです。
この記事では、猫っ毛の男性がスタイリング剤を選ぶ基準と、剤形ごとの向き不向きを、薄毛専門美容師の視点で解説します。
ベタつかず自然にボリュームアップ。薄毛専門美容師が実際に使っているアイテムです。
猫っ毛のセットがうまくいかない3つの理由
1. 毛が細いほど、スタイリング剤の「重さ」に負ける
これが最大の理由です。髪の毛は細くなるほど、自分より重いものを支えられなくなります。
硬い髪の方が同じワックスを同じ量つけても立ち上がるのは、毛自体に反発力があるからです。猫っ毛の場合、油分を含んだワックスの重さがそのまま根元にのしかかり、つけた瞬間から根元が寝てしまいます。
「もっとつければ立つはず」と量を足すと、さらに重くなって逆効果になります。猫っ毛のセットで失敗している方は、ほぼ例外なくこのループに入っています。
2. 乾かす前に何もしていない
猫っ毛の方の多くが、乾かしてからワックスをつけています。ですが髪の形が決まるのは、濡れた状態から乾いていく過程です。乾ききった髪をワックスで動かそうとしても、一度倒れた根元は起きません。
朝のセットで一番効くのは、実はドライヤーの前の工程です。ここが空白になっていると、あとで何を使っても取り返せません。
3. 束を作ると、猫っ毛は地肌が見える
ファイバー系のワックスやジェルで毛束を作るセットは、髪が多い人には立体感が出ます。しかし猫っ毛の場合、束と束のあいだから地肌が見えます。
毛が細いぶん一束あたりの密度が低く、束にした時点で面の情報量が減るためです。猫っ毛の方が目指すべきなのは、束を作ることではなく、面をふんわり保つことです。
猫っ毛の男性がスタイリング剤を選ぶ3つの基準
基準1:油分が少ないこと
猫っ毛にとって、油分は「重り」です。ツヤが出るタイプ、しっとりするタイプ、伸びがいいタイプは、ほぼすべて油分が多いと考えて構いません。
売り場で見分けるなら、手に取ったときにベタつくものは避けるのが基本です。指先に残る感触がそのまま髪への負担になります。
基準2:乾いたあとに重さが残らないこと
つけた直後は軽くても、時間が経つと重くなる剤があります。判断基準は「乾いたあとに何が残るか」です。
油分が残るタイプは、時間とともに髪が下がってきます。パウダー成分だけが残るタイプなら、乾いたあとの重量がほとんど増えないため、猫っ毛でも夕方まで形が保てます。
基準3:濡れた髪から使えること
前述のとおり、猫っ毛のセットはドライヤー前で決まります。ですから「濡れた髪に使える」と明記されている剤を選んでください。
乾いた髪専用のワックスしか持っていない方は、まずここを埋めるだけで仕上がりが変わります。
剤形別|猫っ毛に向くもの・向かないもの
市販されている主なスタイリング剤を、猫っ毛の視点で整理します。
| 剤形 | 猫っ毛への相性 | 理由 |
|---|---|---|
| ジェル・グリース | × | 油分と水分が多く最も重い。ツヤで地肌が透ける |
| ファイバーワックス | × | 伸びる成分=油分。束になって地肌が見える |
| クリームワックス | △ | ごく少量なら可。量を誤ると一気に潰れる |
| クレイ・マットワックス | ○ | ツヤは出ないが、猫っ毛には粘度が重い場合がある |
| パウダーワックス | ◎ | 油分ゼロで根元が立つ。ただし乾いた髪専用 |
| ドライミスト(パウダー系) | ◎ | 濡れた髪から使えて、乾くとパウダーだけが残る |
| ハードスプレー | ○ | 仕上げの固定用。単体ではボリュームは作れない |
猫っ毛の方に一番おすすめしたいのは、パウダー系のドライミストで土台を作り、必要ならパウダーワックスを少量足すという組み合わせです。ワックスを主役から外すのがポイントです。
猫っ毛を立ち上げるドライヤーの使い方
スタイリング剤を変えても、乾かし方が同じままだと効果が半減します。RELIVEでお客様に必ずお伝えしている3つです。
後ろから前へ、外側から中心へ
多くの方が前から後ろに乾かしていますが、これをすると髪が後ろに流れて根元が寝ます。後ろから前へ、そして左右の外側から中心に向かって風を当ててください。この2方向を守るだけで、猫っ毛でも根元が起きます。
根元を指で引っ張りながら乾かす
頭頂部の根元を指でつまむように軽く引き上げ、そこに風を当てます。乾かしながら形を作るイメージです。放置して乾かすのと比べて、立ち上がりがはっきり変わります。
最後は冷風で固定する
髪は温かいうちは柔らかく、冷える瞬間に形が決まります。完全に乾く直前で冷風に切り替えて、立ち上げた状態のまま冷ましてください。猫っ毛は形が崩れやすいぶん、この一手間が効きます。
猫っ毛に向けて作ったEGUSU ボリュームアップミスト
ここまでの条件をすべて満たすものが市販品に見当たらなかったため、RELIVEで開発したのが「EGUSU ボリュームアップドライミスト」です。
使い方はシンプルで、タオルドライ後の濡れた根元に吹きかけて、そのままドライヤーで乾かすだけです。乾くとパウダー成分だけが髪に残るため、油分による重さが加わりません。ツヤも束感も出ないので、猫っ毛でも地肌の透けを強調せずに根元だけを立ち上げられます。
ポイントは3つです。まず根元中心に吹きかけること。次に手でなじませてから乾かすこと。最後に乾かしながら形を作ることです。頭皮についても問題のない成分設計なので、根元までしっかり使えます。
よくある質問
Q1. 猫っ毛と薄毛はどう違いますか?
猫っ毛は生まれつき髪が細く柔らかい状態で、本数は減っていません。薄毛は本数や毛量が減っていく進行性の状態です。ただし「地肌が透けて見える」という悩みは共通で、対処法もほぼ同じです。気になる場合は一度見せていただければ、どちらの状態か判断できます。
Q2. 猫っ毛でもワックスは使っていいですか?
使っても構いませんが、主役にはしないでください。先にミストとドライヤーで根元を立ち上げ、仕上げにごく少量のパウダーワックスを毛先に足す程度が理想です。手のひらに残るくらいの量で十分です。
Q3. パウダー系は頭皮に悪くありませんか?
EGUSUのボリュームアップミストは頭皮についても問題ない成分設計です。根元中心につけて構いません。ただし、どのスタイリング剤でも共通して、その日のうちにシャンプーで落としてください。
Q4. 猫っ毛にパーマをかければボリュームは出ますか?
出る場合もありますが、猫っ毛は薬剤のダメージを受けやすく、失敗すると余計に細く見えます。かけるなら必ず髪の状態を見てもらい、薬剤と時間を調整できる美容師に相談してください。
Q5. どのくらいの頻度でカットすべきですか?
4〜6週間に1回が目安です。猫っ毛は長さが出るほど自重で潰れるため、伸ばしすぎるとボリュームが出しにくくなります。
まとめ
猫っ毛のスタイリング剤選びで大事なのは3点です。油分が少ないこと、乾いたあとに重さが残らないこと、濡れた髪から使えること。この基準で選び直すだけで、今の髪のままでも見え方が変わります。
そして忘れがちですが、剤よりも先に乾かし方です。後ろから前へ、外側から中心へ、最後は冷風。この順番を守ってください。
自分の髪がどちらの状態か判断がつかない方は、LINEでご相談ください。写真を送っていただければ、状態に合わせたセット方法をお伝えします。
著者: 益満千尋(薄毛専門美容室RELIVE経営 / 現場に立つ美容師)

