薄毛のボリュームアップカット|細い毛・ペタンコ髪でも立体的に見せる方法を薄毛専門美容師が解説

記事を書いた人

薄毛専門美容室RELIVE代表取締役・現場美容師。鹿児島県出身、日本美容専門学校・東京理容専修学校卒業。大手チェーンサロンで社内最速スタイリストデビューを果たし、2014年に吉祥寺で独立開業。2022年3月、薄毛専門美容室「RELIVE」を開業。RELIVE株式会社代表取締役。年間15,000人が来店。美容師歴18年。薄毛専用スタイリング剤「EGUSU」開発者。令和の虎CHANNEL・テレビ・ラジオ出演、雑誌・業界誌・モアリジョブほか多数メディア掲載。

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「髪が細くて、どんなカットをしてもペタンコになってしまう」という悩みは、薄毛の方に非常に多いです。解決策はカット設計にあります。正しく設計されたカットは、スタイリングしやすい土台を作ります。

この記事では、薄毛専門美容師として、細い毛・ペタンコ髪でも立体的に見せるカット方法を解説します。

益満千尋

益満千尋(ますみつちひろ)

美容師歴18年。薄毛専門美容室RELIVEオーナースタイリスト。年間15,000人の薄毛の方の施術に携わる。「ありえへん∞世界」「結太郎の縁むすびまっせ!」出演。ラジオ「#サロプロ」出演。モアリジョブ・日刊SPA!・beautypost.jp 掲載。著者プロフィール詳細 →

「カットするたびに頭頂部が透けて見える」「朝セットしてもペタンコのまま崩れる」——薄毛でボリュームが出ないことに悩んでいる方は多いです。

原因のほとんどは、カットの設計ミスとセットの順序の間違いにあります。正しいカット設計とドライヤーの使い方を知るだけで、同じ髪の量でもまったく違うボリューム感が出せます。

私はRELIVEで18年間、薄毛専門の施術を行ってきました。この記事では、実際のカウンセリングで得た知見をもとに、細い毛・ペタンコ髪でも立体的に見せるカット設計とセット方法を解説します。

薄毛でボリュームが出ない3つの原因

ボリュームが出ない悩みを抱える方のカウンセリングをしていると、原因はほぼ3パターンに絞られます。細い毛の特性、頭の形、そして日常の乾かし方——この3つが重なって、ペタンコ髪が生まれています。

薄毛のカウンセリングシーン|RELIVE
RELIVEのカウンセリング。髪質と頭の形を確認しながら原因を特定する(動画:RELIVE公式YouTube)

原因1:髪が細くてコシがない

細い髪は1本1本が軽いため、重力に負けてすぐ寝てしまいます。実際にRELIVEに来店するお客様を見ていると、「元々髪が細くて、濡れると頭皮が透けてしまう」という方がとても多いです。

細い髪の特徴は、油分をつけると束になりやすいこと。10本の細い毛が1本にまとまってしまうと、それだけ地肌の透け感が増します。市販のワックスを使うと「夕方になるとベタベタしてペタッとなる」という経験がある方は、まさにこの状態です。

原因2:頭の形(絶壁・つむじの位置)

頭頂部にあるつむじは、髪が放射状に生えている起点です。このつむじが頭頂部の中心にあると、どうしても髪が左右に分かれて頭皮が見えやすくなります。

カウンセリングで頭頂部を確認すると、「つむじから放射状に毛が広がっているので、分け目ができると透けやすい」という方がほとんどです。絶壁気味の頭の形も、後頭部のボリュームが出にくい原因になります。

原因3:乾かし方が逆効果になっている

「短くすればボリュームが出る」と思って短くカットし続けると、逆効果になります。短い髪は立ち上がりで高さは出ますが、立った隙間から地肌が見えてしまいます。一方、ある程度の長さがあれば髪が重なり合って地肌の透けを防いでくれます。

また、ドライヤーを前から当てて前から後ろに乾かすと、髪は生えている流れのまま寝てしまいます。ボリュームを出したい箇所に正しく風を当てる技術が、実はセットの8割を決めます。

ボリュームアップカットの設計ポイント

薄毛専門のカット設計は、一般的な美容室のカットとは考え方がまったく違います。「ボリュームを出すために短くする」のではなく、「髪を重ねてボリュームをつくる」という発想が基本です。

薄毛専門のカットシーン|RELIVE
頭頂部の長さを残しながら周囲とのバランスを整えるカット設計(動画:RELIVE公式YouTube)

頭頂部の長さは短くしすぎない

RELIVEのカウンセリングでよく話すのが「短くすると立って高さは出るが、立った隙間から地肌が見える」という現象です。髪が重なり合うことで透け感が減るため、頭頂部はある程度の長さを残すことが前提になります。

ただし頭頂部を長く残しすぎると、長くなるにつれてつむじで分かれやすくなります。「長い方が分かれやすくなって目立ちやすい」のは事実です。だからこそ、長さのバランスと合わせてつむじの位置をずらすカット設計が必要になります。

つむじをずらして頭頂部をカバーする

頭頂部のカット設計で私が必ず行うのが、「つむじのずらし」です。通常、つむじは頭頂部の中心にあります。ここを基点にそのまま乾かすと、つむじで分かれて頭頂部が透けます。

具体的には、横から少し髪を持ってきて、つむじの位置を頭頂部からずらします。横の髪が頭頂部に集まることで、自然なボリュームが生まれます。この設計が決まると、セットの手間が大きく減ります。

サイドは量を調整してバランスを整える

頭頂部の薄さが目立つ理由の一つが、サイドの量が多すぎること。サイドの毛量が多いと、相対的に頭頂部が薄く見えます。サイドの毛量を少し減らすことで、頭頂部との差が縮まり、全体のバランスが整います。

耳周りはすっきりさせながら、カリアゲは避けるのが基本です。刈り上げると、地肌との境目ができてかえって薄さが目立ちます。

ドライヤーでボリュームを出す正しい順序

カットが正しくても、乾かし方が間違っていると台無しになります。RELIVEでは必ずお客様にドライヤーレクチャーを行いますが、ここで教える手順は一般的なやり方とかなり違います。

薄毛のドライヤーテクニック|RELIVE
ドライヤーの方向と手の使い方がボリュームを左右する(動画:RELIVE公式YouTube)

ステップ1:タオルドライ後、パウダーワックスを根元につける

タオルでざっくり水気を取った状態、まだ湿っている段階でパウダーワックスをつけます。乾いてからつけるより、根元への定着が格段に良くなります。

量は10プッシュほどが目安です。少ないと効果が出ません。「多すぎないか」と思うくらいが適量で、髪の毛をめくりながら根元に届くようにつけてください。

ステップ2:お辞儀をしながら頭頂部に風を当てる

つむじに風を当てるとき、多くの方はドライヤーを正面から構えます。しかし正面から風を当てると、髪は生えている方向のまま寝てしまいます。

頭を前に倒し(お辞儀をするイメージ)、ドライヤーの風を頭頂部に上から当てます。右利きの方は左手でドライヤーを持ち、右手の指の腹で地肌をゴシゴシとこすりながら乾かしてください。これで髪が根元から立ち上がります。

ステップ3:ボサボサにしてから整える

カウンセリングで「ボサボサにします。ボサボサにしてボリュームが出る」とお伝えしています。最初から整えようとせず、全体をくしゃくしゃにしながら根元を立たせることが先です。根元が立ったら、最後に形を整えれば完成です。

この順番を逆にすると、表面だけ整って根元は寝たまま——という状態になります。夕方にはペタンコ、という経験がある方はこのパターンです。

パウダーワックスの選び方と使い方

薄毛の方のスタイリング剤選びは、油分の少なさが最優先です。市販のワックスには油分が多いものが多く、細い髪に使うと束になって地肌の透け感が増します。

薄毛向けスタイリング剤の使い方|RELIVE
パウダーワックスは根元から丁寧につけることで効果が出る(動画:RELIVE公式YouTube)

パウダーワックスを選ぶ理由

油分が少なく、粉状の成分が根元にボリュームをつくるパウダーワックスが薄毛の方に最も向いています。ジェルは髪が濡れて見えるため、10本の毛が1本になる束感が出やすく相性が悪いです。

普通のワックスも夕方になると油分でベタつき始め、髪がペタッとしてしまいます。パウダー系なら長時間ボリュームをキープできます。

正しいつけ方:根元から外側へ

NG OK
毛先から全体に伸ばす 根元を狙って下からめくりながらつける
2〜3プッシュ 10プッシュほどたっぷりと
乾いた髪につける タオルドライ直後の湿った状態でつける
頭皮に直接つける 髪の根元を狙う(頭皮ギリギリ)

これをいっぱい作れたらボリュームが出る——というのが、RELIVEのカウンセリングでよく使う表現です。「これ」とは根元の立ち上がりのこと。根元の立ち上がりを数多く作ることが、ボリュームアップの核心です。

ポイント:前髪の根元にもパウダーワックスをつけてください。前髪はペタンコになりやすいですが、根元につけてドライヤーで立ち上げるだけで印象が変わります。

ボリュームを長持ちさせるカット周期

どれだけ良いカットをしても、伸びてバランスが崩れると効果が薄れます。薄毛の方のカット周期は、通常より少し短めに設定することが大切です。

薄毛カットの仕上がり|RELIVE
カット後のバランス確認。仕上がり直後の状態を1か月以内に維持するのが目標(動画:RELIVE公式YouTube)

1〜1.5ヶ月が理想のサイクル

「1ヶ月から1ヶ月半でちょっと気になって」——これはRELIVEのお客様が実際に話してくれた言葉です。薄毛の方が気になり始めるのがちょうどこの時期。カットのペースもこれに合わせるのが理想です。

一般的な美容室のカットサイクルは2〜3ヶ月ですが、薄毛の場合は1〜1.5ヶ月を目安にしてください。伸びてバランスが崩れる前に整えることで、常に良い状態をキープできます。

「持たせよう」とする心理がNG

カットに行くのが面倒で、少し持たせようと間隔を空けがちな方も多いです。しかし薄毛のカット設計は、最も良い状態からの変化がそのまま薄さの露出につながります。

私が施術で意識しているのは「1番いい状態に切る」こと。「持たせるために少し短く」ではなく、その瞬間の最高の状態を目指してカットします。だからこそ、次のカットまでの間隔が重要です。

上は伸ばし続け、周囲で調整する

頭頂部の髪はなるべく伸ばし続けるのが基本です。周囲(耳周り・首周り)が伸びてきたらそこだけカット、上は長さを保ったまま——このサイクルを繰り返します。

「上は伸びて周り切る、みたいな感じにしていくといいかもしれます」というのが、RELIVEでよく行うアドバイスです。上を切ってしまうと、せっかくの重なりが失われてしまいます。

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まとめ・よくある質問

薄毛のボリュームアップカットで押さえるべきポイントを整理します。

  • 頭頂部は短くしすぎない——髪の重なりが透け感を防ぐ
  • つむじをずらすカット設計で頭頂部の分かれを解消する
  • パウダーワックスを10プッシュ根元につけてからドライヤーをかける
  • お辞儀姿勢でドライヤーを上から当て、指の腹で地肌をこする
  • カット周期は1〜1.5ヶ月を目安にする

この5点を実践するだけで、同じ髪の量でもまったく違うボリューム感が出せます。カットの設計からスタイリングまで一貫してサポートしているRELIVEに、ぜひ一度ご相談ください。

よくある質問

Q1. 薄毛でボリュームアップカットに向いている髪型は?

頭頂部に長さを残しながら、サイドをすっきりさせるスタイルが向いています。刈り上げは地肌との境目が目立つためNG。ソフトモヒカン系のシルエットは頭頂部に視線を集めつつボリューム感を演出できます。

Q2. パウダーワックスはどんな商品が良いですか?

油分が少なく、マット系の仕上がりになるものを選んでください。「パウダーシェイク」タイプが細い髪に向いています。ジェルやグリースは髪が濡れた状態に見えてしまうため、薄毛の方には不向きです。

Q3. セットしても夕方にはペタンコになってしまいます

原因は油分の多いスタイリング剤の使用か、根元への定着不足がほとんどです。パウダーワックスに切り替え、タオルドライ直後の湿った状態で根元につけるようにしてください。これだけで夕方まで持続力が変わります。

Q4. 短くカットした方がボリュームが出ると聞きましたが本当ですか?

半分だけ正解です。短い髪は立ち上がりやすいですが、立った隙間から地肌が見えます。ある程度の長さがあれば髪が重なって透け感を防ぎます。薄毛の場合は「短くして立たせる」より「長さで重ねてカバーする」という設計が効果的です。

Q5. カット周期はどのくらいが理想ですか?

1〜1.5ヶ月を目安にしてください。一般的な2〜3ヶ月より短めですが、薄毛のカット設計はバランスが崩れると透け感が出やすくなります。頭頂部は伸ばし続け、耳周りや首周りだけをこまめに整えるのが効率的です。

Q6. 普通の美容室と薄毛専門美容室の違いは何ですか?

最大の違いはカットの設計思想です。一般的な美容室は「お客様が希望したスタイル」に切ることが中心ですが、薄毛専門は「薄毛の特性を踏まえた上で最適な設計を提案する」アプローチです。カウンセリングで頭の形・毛量・つむじの位置を確認し、その方だけのカット設計を作ります。

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